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症状別ガイドを読む前に|筋肉ロックという視点で理解する体の仕組み

症状別ガイドを読む前に|筋肉ロックという視点で理解する体の仕組み

「この症状が、こんなことが原因だとは思わなかった」 「今までに聞いたことのない話だ」 「これなら、もしかしたら改善していくかもしれない」

体の不調について調べている方の多くは、 「もっと納得できる説明があるはずだ」という思いで、 さまざまな情報を探してきたのではないでしょうか。

腰痛、肩こり、関節の痛み、しびれ、違和感。 多くの人は、それらの原因を 骨や関節、年齢、姿勢のせいだと考えてきました。

しかし、私たちが施術の現場で向き合ってきた中で、 別の共通点が見えてきました。

なぜ「骨」や「関節」が原因だと考えられてきたのか

医療や治療の現場では、
レントゲンやMRIなどの画像をもとに診断が行われることが多くあります。

画像に写るもの――
骨、関節、椎間板。

それらが説明の中心になるのは、とても自然な流れです。

一方で、筋肉はどうでしょうか。

筋肉は「状態」が画像にほとんど写りません。
そのため、原因として扱われにくく、
「動かすもの」「鍛えるもの」という位置づけに留まりやすい面があります。

結果として、
筋肉の状態が原因になっている可能性は、
注目されにくかったのです。

見落とされてきた「筋肉の状態」という視点

ここで大切なのは、
筋肉が「あるか・ないか」ではなく、
どんな状態になっているかです。

筋肉が硬いとは、どういう状態なのか

筋肉が硬い状態とは、単なるコリではありません。
たとえば、こんな状態です。

・硬くなっている
・縮んだままになっている
・伸びなくなっている
・太く、弾力を失っている

これは特別な異常ではなく、
力が入ったまま抜けなくなっている状態です。

誰にでも、どの筋肉にも起こり得ることです。

硬くなった筋肉が、さまざまな症状を生む仕組み

では、なぜこの状態が
痛みや不調につながるのでしょうか。

血管を圧迫し、痛みを生む流れ

硬く、太くなった筋肉は、
その内部や周囲を通る血管を圧迫します。

血流が悪くなると、
体は「血流を回復させよう」と反応します。

その過程で生じるのがブラジキニンです。

ブラジキニンは血流を促すための物質であると同時に、
痛み物質でもあります。
ここが重要なポイントです。

血流を良くしようとする反応そのものが、
痛みとして感じられている


これが、多くの慢性痛に共通する仕組みです。

負荷を逃がせず、特定の場所に痛みが出る流れ

もう一つ、重要な仕組みがあります。

縮んで伸びなくなった筋肉は、
動いたときの負荷をうまく分散できません。

その結果、

・無理に伸ばされるような動作
・突然の負荷

がかかった瞬間に、

関節など特定の場所へ力が集中します。

これが、

・動作時の痛み
・繰り返す関節痛
・特定の動きでだけ出る症状

につながっていきます。

筋肉が硬くなる原因は、大きく分けて3つある

筋肉が硬くなる原因は、複雑に見えて
大きく分けると次の3つに整理できます。

① 老廃物の蓄積

血流や循環が低下し、
筋肉が本来の働きをしにくくなった状態です。

② エネルギー不足(ATP不足)

筋肉が「力を抜く」ためのエネルギーが足りず、
緩みたくても緩めない状態です。

③ 筋肉ロック

防御反応として、
無意識に力が入り続けてしまう状態です。

この筋肉ロックは、
①や②とは異なり、血流を改善するだけでは変わりにくく
まだあまり認識されていない現象でもあります。

なぜ「ケアしているのに改善しない人」がいるのか

老廃物の蓄積やATP不足は、
血流が改善すると変化が出ることも少なくありません。

しかし、筋肉ロックが関与している場合、
同じケアを続けても変化が乏しいことがあります。

「やっているのに戻ってしまう」
「一時的には楽になるけど改善しない」

その理由は、
原因の一部が見えにくかっただけかもしれません。

症状は違っても、起きていることは共通している

症状の出る場所や感じ方は人それぞれです。

しかしその裏側では、

・筋肉が硬くなり
・血流が妨げられ
・負荷が偏っている

という共通した構造が起きていることがあります。

症状は原因そのものではなく、
結果として表に出ているサインなのです。




このサイトでは、腰痛、肩こり、関節痛、しびれなど、
症状ごとの詳しい記事も用意しています。

「自分の症状はどういう構造で起きているのか」を
より具体的に知りたい方は、
症状別ガイドの目次ページからご覧ください。

また、ゼロ化整体全体の考え方や筋肉ロック理論の詳細については、
症状別解説&筋肉ロック理論 完全ガイドをご覧ください。

参考情報・補足資料

本記事で触れている内容は、以下のような既存の研究知見や生理学的な考え方をもとに整理しています。

・筋肉の過緊張や持続的収縮が、血流低下や疼痛物質の産生に関与すること
・血流低下時にブラジキニンなどの疼痛関連物質が生成されること
・筋の柔軟性低下や伸張制限が、関節や特定部位への負荷集中を引き起こす可能性があること

なお、本記事は特定の疾患や診断を目的としたものではなく、
体の不調を「どのような構造で捉えるか」という視点を整理するための情報提供を目的としています。

この記事を書いた人

鮎川史園(あゆかわ しおん)

ゼロ化整体 開発者・代表セラピスト
筋肉ロック理論の研究に15年以上携わり、ゼロ化整体を独自開発。 2万人以上の施術実績を持ち、著書4冊(累計6万部)を出版。 武学融合技術による独自アプローチで、慢性痛の根本改善をサポートしています。
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