椎間板ヘルニアの痛みは、本当に”ヘルニア”が原因なのでしょうか?
椎間板ヘルニアと診断されると、多くの方が「飛び出した椎間板が神経を圧迫して痛みが出ている」と考えます。
しかし実際には、
- ヘルニアがあっても痛みがない人
- 飛び出した部分が自然に吸収される人
- 神経の圧迫だけでは痛みが出ないケース
も多く存在します。
「では、何が痛みをつくっているのか?」
その疑問に触れながら、身体の仕組みをやさしく紐解いていきます。
椎間板ヘルニアが起きる本当の理由
椎間板は背骨の間でクッションの役割を果たし、日常の微細な動きを支えてくれています。その一部が飛び出してしまう背景には、椎間板単体の問題ではなく、周囲の筋肉の状態が大きく関係しています。
"てこの原理"が働きやすい場所ほど、負担が集中する
背骨は本来しなやかに動き、力を分散し合う構造を持っています。しかし筋肉が硬くなると背骨が一本の棒のようになり、動きの力が特定の部分に集まりやすくなります。特に負担が集中しやすいのが、
・腰椎:L4/5、L5/S1
・頸椎:C5/6、C6/7
です。これは体重だけでなく、背骨が動かないことによっててこの原理が強く働いてしまうため。例えば、背中全体が板のように固まったまま前かがみになると、曲がらない背骨の代わりに、L4/5やL5/S1といった一部の関節だけが蝶番のように曲げられ、てこの原理で何倍もの力が集中してしまいます。その場所に負担が集中しやすくなるのは、このためです。本来は、筋肉が柔らかくしなやかであれば、ここまで一点に負担が集まることはありません。
・腰椎:L4/5、L5/S1
・頸椎:C5/6、C6/7
です。これは体重だけでなく、背骨が動かないことによっててこの原理が強く働いてしまうため。例えば、背中全体が板のように固まったまま前かがみになると、曲がらない背骨の代わりに、L4/5やL5/S1といった一部の関節だけが蝶番のように曲げられ、てこの原理で何倍もの力が集中してしまいます。その場所に負担が集中しやすくなるのは、このためです。本来は、筋肉が柔らかくしなやかであれば、ここまで一点に負担が集まることはありません。
では、なぜヘルニア=痛みではないのでしょうか?
多くの研究で、ヘルニアの有無と痛みは必ずしも一致しないことが確認されています。
痛みのない人にも"異常所見"は多い
MRIで調べると、痛みのない方でも椎間板の変性や膨隆、突出が見つかることがあります。
神経は「圧迫されただけ」では痛みが出にくい
痛みには、圧迫だけではなく炎症や血流不足(虚血)など、複数の要素が関わることが、近年の研究で示されています。
つまり、
では、実際に痛みはどこから来ているのでしょうか。
つまり、
痛みの本質は、ヘルニアそのものより"周囲の組織の状態"にある。
では、実際に痛みはどこから来ているのでしょうか。
痛みの本質は"筋肉が硬くなり、血流がとまること"にあります
筋肉は、細い血管が網の目のように走る組織です。しかし筋肉が硬くなると、その血管が圧迫され、血流が滞りやすくなります。
これが虚血と呼ばれる状態です。
虚血が起こると、
・ジンジンとした痛み
・しびれ
・冷え
・重だるさ
・動かした瞬間の痛み
といった症状が現れます。
特に、慢性的に続く痛みの背景には、筋肉が硬くなる仕組みが深く関わっています。
では、その筋肉はなぜ硬くなってしまうのでしょうか。
これが虚血と呼ばれる状態です。
虚血が起こると、
・ジンジンとした痛み
・しびれ
・冷え
・重だるさ
・動かした瞬間の痛み
といった症状が現れます。
特に、慢性的に続く痛みの背景には、筋肉が硬くなる仕組みが深く関わっています。
では、その筋肉はなぜ硬くなってしまうのでしょうか。
筋肉が硬くなる"三つの理由"と、同時に整える必要性
筋肉が硬くなる理由は一つではありません。次の三つが重なることで"手強い硬さ"が生まれます。
① 老廃物の蓄積(張ったような硬さ)
代謝産物が抜けにくくなることで、筋肉がむくんだようになり、張り感が出ます。
エネルギー不足(ATP不足)による戻れない硬さ
筋肉はエネルギーがないと柔らかい状態に戻れません。エネルギー不足はロックした硬さを生みます。
③ 筋肉ロック(反射による固定)
身体が危険を感じた時に、その部分を守るため筋肉が反射的に固まってしまう状態です。
三つを"同時に"整えないと改善が続かない理由
ストレッチだけ
温めるだけ
揉みほぐすだけ
の単体アプローチでは、残りの原因がそのままのため、すぐに硬さが戻ってしまいます。
温めるだけ
揉みほぐすだけ
の単体アプローチでは、残りの原因がそのままのため、すぐに硬さが戻ってしまいます。
三つを同時に整えることで、初めて根本的な改善が進んでいきます。
筋肉ロックが解除されると、身体にはどんな変化が起きるのか
筋肉ロックが少しずつ解除されていくと、身体の内側で次のような変化が起こり始めます。
① 奥の硬さがゆるみ、呼吸が深くなる
背骨まわりの緊張がほどけ、身体が安定します。
② 血流が戻り、痛みの質が変わる
重さや鈍い痛みがやわらぎやすくなります。
③ 背骨の動きが広がり、てこの過負荷が消える
しなやかさが戻り、椎間板への負担が自然に分散されます。
④「動かすと痛い」から「動くと楽」へ変化していく
筋肉同士が協力して動けるようになります。
⑤ 日常生活で"痛みを気にしない瞬間"が増えていく
身体が本来の回復力を取り戻しているサインです。
よくあるご質問・不安になりやすいポイント
ここまで読んでいただく中で、いくつか疑問や不安が浮かんだ方もいらっしゃると思います。その中から、特に多いものにお答えします。
Q:ヘルニアは自然に良くなることがあり得ますか?
→ はい。多くの研究で自然吸収が確認されています。
Q:神経の圧迫と言われたのですが、それでも回復しますか?
圧迫だけでは痛みは起こらず、炎症や虚血が大きな要因です。
Q:手術を勧められていますが、どう考えたらよいですか?
まず医師の意見をしっかり聞くことが最優先です。そのうえで、自然回復が期待できるケースも多くあります。
Q:ストレッチはしたほうがいいですか?
→ 強い痛みの時は悪化することもあります。まずは筋肉ロックを解除し、血流を整えることが大切です。
あわせて読みたい関連記事
坐骨神経痛・椎間板ヘルニアが改善しづらい理由|神経圧迫説の限界と筋肉ロック解除による根本的アプローチ
三つの原因に同時にアプローチするから安定した施術結果が出せる
もっと詳しく知りたい方へ
身体の仕組みをさらに整理したい方へ。ゼロ化整体の知識をテーマ別にまとめた症状別解説&筋肉ロック理論 完全ガイドをご用意しています。
https://myonpathy.world/2022/12/04/初めて私達のことを知ってくださった方へ/
必要に応じて、ゆっくりご覧ください。
https://myonpathy.world/2022/12/04/初めて私達のことを知ってくださった方へ/
必要に応じて、ゆっくりご覧ください。
まとめ
椎間板ヘルニアと聞くと、不安を感じたり、「もう良くならないのでは…」と心が曇ってしまうことがあるかもしれません。
ですが、身体は本来とても賢く、必要なときには自ら回復しようと働いてくれます。
痛みが続いているときは、その働きがうまく発揮できずに、"一時的に助けを求めている状態"なのだと思います。
ヘルニアそのものに意識を向けるのではなく、周囲の筋肉の状態や、身体全体のバランスに目を向けていくと、見えてくるものが大きく変わります。
「ヘルニアだからもう仕方がない」とあきらめてしまう前に、筋肉の状態や血流、背骨全体のバランスという視点から身体を見直してみることで、選択肢はもう少し増やせるかもしれません。
筋肉ロックが解除され、血流が戻り、背骨がしなやかに動き始めると、身体は静かに、しかし確かに変化していきます。
痛みが変わる力は、あなたの身体の中にすでに備わっています。
今回の記事が、ご自身の身体を理解するための小さなきっかけになりましたら嬉しく思います。
焦らず、やさしく、今の身体と向き合いながら進んでいけますように。
ですが、身体は本来とても賢く、必要なときには自ら回復しようと働いてくれます。
痛みが続いているときは、その働きがうまく発揮できずに、"一時的に助けを求めている状態"なのだと思います。
ヘルニアそのものに意識を向けるのではなく、周囲の筋肉の状態や、身体全体のバランスに目を向けていくと、見えてくるものが大きく変わります。
「ヘルニアだからもう仕方がない」とあきらめてしまう前に、筋肉の状態や血流、背骨全体のバランスという視点から身体を見直してみることで、選択肢はもう少し増やせるかもしれません。
筋肉ロックが解除され、血流が戻り、背骨がしなやかに動き始めると、身体は静かに、しかし確かに変化していきます。
痛みが変わる力は、あなたの身体の中にすでに備わっています。
今回の記事が、ご自身の身体を理解するための小さなきっかけになりましたら嬉しく思います。
焦らず、やさしく、今の身体と向き合いながら進んでいけますように。
この記事を書いた人
鮎川史園(あゆかわ しおん)
ゼロ化整体 開発者・代表セラピスト
筋肉ロック理論の研究に15年以上携わり、ゼロ化整体を独自開発。2万人以上の施術実績を持ち、著書4冊(累計6万部)を出版。武学融合技術による独自アプローチで、慢性痛の根本改善をサポートしています。
詳しいプロフィールはこちら
ゼロ化整体 開発者・代表セラピスト
筋肉ロック理論の研究に15年以上携わり、ゼロ化整体を独自開発。2万人以上の施術実績を持ち、著書4冊(累計6万部)を出版。武学融合技術による独自アプローチで、慢性痛の根本改善をサポートしています。
詳しいプロフィールはこちら
参考文献・出典
本記事の内容は、以下の主要な医学研究を参考にしています。
・Brinjikji W, et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(4):811-816.
https://www.ajnr.org/content/36/4/811
・Brinjikji W, et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(12):2394-2399.
https://www.ajnr.org/content/36/12/2394
・Jensen MC, et al. N Engl J Med. 1994;331:69-73.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199407143310201
・Sekiguchi M, et al. Eur Spine J. 2009;18:1971–1977.
https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00586-009-1064-z.pdf
・Risbud MV, Shapiro IM. Nat Rev Rheumatol. 2014;10(1):44–56.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4151534/
・Brinjikji W, et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(4):811-816.
https://www.ajnr.org/content/36/4/811
・Brinjikji W, et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2015;36(12):2394-2399.
https://www.ajnr.org/content/36/12/2394
・Jensen MC, et al. N Engl J Med. 1994;331:69-73.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM199407143310201
・Sekiguchi M, et al. Eur Spine J. 2009;18:1971–1977.
https://link.springer.com/content/pdf/10.1007/s00586-009-1064-z.pdf
・Risbud MV, Shapiro IM. Nat Rev Rheumatol. 2014;10(1):44–56.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4151534/